理学療法士は女性ならではの強みを活かせる職業です。

女性にはコミュニケーションや気配り、変化に対する気づきなど各能力において男性とは質の異なる特性があり、これら特性は理学療法を行うにあたりとても役に立ちます。また女性であることそのものが理学療法を行うにあたり重要となることすらあります。

ここでは“女性ならでは”が強みとなる理由や、女性から視たやりがいや職場環境などについて紹介します。

女性から見た理学療法士のやりがい

理学療法士はやりがいのある職業です。仕事では対象の方やそのご家族の方と直接向かい合うことができ、その方々の笑顔や感謝の言葉を頂く機会が多く、数多くある仕事のなかでもやりがいを感じることができやすい仕事といえます。

そんな理学療法士のやりがいを、女性の視点を踏まえて紹介します。

人のために働ける

理学療法士のやりがいの1つは人のために働けることです。

理学療法ではケガや病気の人、身体が不自由になった高齢者などを対象として運動や物理療法(電気・赤外線・温熱など)を用いて、その人の生活がより良い方向へ向かうことを目標にリハビリを行います。対象の方が快方へと向かう時、また状態が悪く辛いと感じている時であっても1対1となって寄り添ってリハビリを実施します。

理学療法士の仕事はどんな時であっても目標を見据えながらその人のために働くことができるやりがいのある仕事といえます。

女性の強みを生かせる

女性理学療法士にとっては女性ならではの強みを生かせることも仕事のやりがいとして感じることができます。

女性ならではのコミュニケーション能力、気配り、気づき、また理学療法で女性を対象としている場合はセラピストが女性であるということそのものが仕事におけるメリットとなります。


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理学療法士の求人は増えている

理学療法士の求人数は増加傾向にあるとされ、新聞や求人情報誌、インターネットなどでも多くの求人掲載がみられます。この求人数の増加には日本の現状や理学療法士の働き方など、様々なことが影響しているといわれています。

男女問わず求人は増えている

理学療法士の求人数は増加傾向にあるとされています。

現在、日本では高齢化が加速しており介護福祉施設や病院などにおけるリハビリへの需要の高まりがみられます。また理学療法士の職域は徐々に拡大をみせ介護予防分野、スポーツ関係、企業などで活躍するようになり、全体の求人としてはまだまだ僅かではありますがこれら分野における需要も高まりがみられます。

理学療法士の男女比

日本理学療法士協会によると2016年3月末時点での会員男女比は約3:2で、やや男性が多い傾向にあります。しかし実際の職場における男女比は一概に男性が多いとは限らず、女性が多めの職場も少なくありません。職場における男女比が気になる場合は就職活動前に実際に職場見学をさせてもらったり、問い合わせを行っておくとよいでしょう。

理学療法士は、多様な働き方ができる

前述しましたが理学療法士の活躍の場は介護福祉施設や病院だけにとどまらず介護予防、スポーツ関係(スポーツトレーナー、スポーツジム関係、スポーツ用品開発など)、企業、また開業をして活躍する人もおり、理学療法士は多様な働き方ができる職種といえます。

そのため自分の考え方やスキル、ライフスタイルの変化に応じて職場を変えるという人も少なくなく、社会人になって以降も様々な選択肢の中で働くことができます。

求人数も増えているが理学療法士の数も増えている

高齢か社会に伴い求人数は増えていますが理学療法士の数も増加の一途をたどっており、平成10年には約2万人程度だった理学療法士が平成28年には約14万人にもなっています。そのため求人数が増加しているからといって競争も増してきているため希望する職場に簡単に就職できるとは限りません。

希望する企業や団体に入社するためにも、それぞれの理学療法士が自分ならではの強みを考えなければならない時代に突入してきているといえるでしょう。

理学療法士は女性が働きやすい環境が整っている

数多くある職業の中には女性にとって不利と思われる職場環境が存在しますが、理学療法士の職場環境は女性にとって働きやすいといえます。その理由は産休や育休のとりやすさ、再就職のしやすさにあります。

産休や育休制度が充実している

理学療法士の職場は産休や育休制度が充実しているところが多く、結婚後も安心して働き続けることができます。また妊娠中においても職場と相談することで介助量の少ない患者さんを担当させてもらうことが可能で、仕事内容における過度な不安は要りません。

ただし妊娠・出産・育児における配慮が充実している分、他スタッフの仕事内容(介助量が多い人を担当するなど)は多少大変なものとなります。感謝の気持ちや互いに助け合い思いやる気持ちが必要となる職場といえるでしょう。

離職しても、再就職しやすい

理学療法士は国家資格であるため、1度離職をしても資格をいかすことで再就職がしやすいです。

求人はほとんどの全国各地にあり、職場を選ばなければ全国どこでも働くことができます。そのため何らかの理由で離職をしたとしても、また結婚などで他県へ引っ越さなければならなくなったとしても、再就職はしやすいです。

再就職においては、前職場での経験がいかせるような職場が再就職しやすいとされています。特に前職場が病院勤務であれば医学・医療知識や経験を豊富に積むことができるので他職場での応用をきかせやすいといわれています。


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女性ならではの強みを生かせる理学療法士

理学療法士は女性ならではの強みをいかせる仕事です。女性が得意とするコミュニケーションや気配り、変化に対する気づき、笑顔、そして女性であることそのものが理学療法をする上でのメリットとなります。

コミュニケーション能力

理学療法士の仕事にコミュニケーション能力は欠かすことができません。理学療法の効果を十分に発揮するには対象の方からの信頼を得る必要があります。信頼を得るには相手の状態を察し、その上で的確に言葉を選びつつコミュニケーションをはらなければなりません。

女性は相手と気持ちを共有することが得意とされていることから、理学療法士は女性としての強みを十分にいかすことができる仕事といえます。

気配り

女性ならではの気配りが理学療法を行う上でとても重要になることがあります。

理学療法は対象の方や家族の方が困っていることや願望を十分に把握する必要があります。対象の方や家族に直接聞くこともありますが、その人の生活状態や何気ない会話から気付くこともあります。些細なことに対しても気を配れる、女性ならではの特性がいかされます。

変化に気づく

理学療法を行う上で対象の方の変化に気づくことはとても重要です。

日々の顔色や口調、声のトーン、行動などちょっとした変化からその人の体調や心の変化を把握することができます。これら変化に気づくことができれば応じて理学療法メニューを変更したり言葉かけに工夫を凝らせたりでき、その人の心身のスムーズな回復へとつなげられます。

女性は男性に比べ変化に対して敏感とされていることから、このような変化に対しても気づきやすいといえるでしょう。

女性への理学療法がしやすい

理学療法の対象が女性の場合、男性セラピストを嫌がることがあります。また男性セラピスト自身も特に胸周り、股関節周りの理学療法においては配慮をしながら理学療法を行っています。

しかし女性セラピストであれば相手に理解を得つつ男性ほど遠慮をせずに十分な理学療法を実施することができ、また対象となる女性自身も安心して理学療法にのぞむことができます。

このような場合、女性であることそのものが理学療法士としての強みとなります。

笑顔

笑顔は男女問わず相手に良い影響を与えますが、特に女性の笑顔は実際の現場では対象の方々に好かれる傾向があるように思います。「良い笑顔ね」、「笑顔をみているだけで元気になる」などのお声も多く頂くことがあったことから、女性の笑顔は何らかの元気を相手に伝えることができるのかもしれません。

女性が理学療法士を目指す上で気をつけておきたいこと(知っておきたいこと)

女性が理学療法士を目指すにあたり様々なメリットが存在しますが、その一方で対象者との関係や仕事内容、感染症など気をつけるべきこともあります。

対象者との関係

女性が理学療法士を目指す上で気を付けるべきことは、対象の方との関係です。

特に男性を対象としている場合は対象の方からセラピストとしてではなく、女性として気に入られることがあります。その場合理学療法になかなか集中してもらえなかったり、理学療法の最中に口説かれてしまうこともあります。対象者にはセラピストとしての毅然たる一面を見せるように心がけ、適度な距離感を保つことが大切です。

また対象者からセクハラを受けることもあります。認知症の男性であればそれが顕著なことがあり、胸を触ろうとしたりキスをしようとしてきたりすることがあります。

いずれの場合も自分自身では予防・対処がしきれることではないケースもあり、上司への相談が必要となります。

重介助の人も介助しなければならない力仕事

理学療法士の仕事は女性であっても、たとえ小柄で細身であったとしても重介助の人を対象としなければならない場合は少なくありません。重介助の方の理学療法はベッド→車イスへの移乗ひとつとっても大変な力仕事となることがあります。そのため1人の理学療法だけでも非常に体力を消耗したり、腰痛に悩まされたりすることもあります。

理学療法士を目指すのであれば、まずはセルフメンテナンス(身体づくり)が必要となります。

感染症

理学療法の対象となる方は高齢者が多く、特に冬の時期には感染症が蔓延することがあります。このような時期は対象の方からセラピストが感染症をもらうこともあり、マスクやうがい、手洗い、消毒などの感染対策は徹底して行わなければなりません。

また女性の場合、妊娠中は特に感染に気をつけ常に感染予防を強く意識していなければなりません。

女性理学療法士より資格取得を目指す女性へアドバイス

数多くある仕事のなかでも、理学療法士は女性が活躍できる職種です。コミュニケーションや気配り、笑顔など男性とは質の異なる強みが女性にはあり、その女性の特性が理学療法でいかすことができます。女性であること、それをポジティブに仕事にいかせることは働くやりがいにもなります。

また女性は出産、育児などで働き方を変えなければならないことがありますが、理学療法士の職場は産休、育休がとりやすいところが多く安心して働き続けることができます。たとえ離職をしたとしても求人が多くあることから、何らかの職場への復帰は十分に望めます。

実際の現場では重介助の人を担当することもあり力仕事で体力的に大変なこともあるのですが、それ以上にメリットを多く感じられる仕事です。

理学療法士は男性女性がそれぞれ持つ特性をいかしながら働いていますが、女性理学療法士として、女性ならではの強みをいかした女性理学療法士がますます活躍することを期待しています。


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