国家試験、それは作業療法士学生が、4年生以降に必ず経験する登竜門。受かれば天国、落ちれば地獄。受からないと仕事はできず、落ちてしまえば留年か、自宅勉強のどちらになります。国家試験に落ちれば、「国家試験に落ちた奴」とレッテルを貼られるかもしれない・・・。親、講師からの無言のプレッシャーや、はたまた友人からのプレッシャーなどで押しつぶされそうになったことのある作業療法士も多いでしょう。

国家試験と聞くと、実に大きな目標、ゴールのように思われがちですが、学内生活をそれなりに送っていれば落ちることはまずありません。遊びほうけたり、勉強するタイミングを誤ったり、勉強をする理由を見失ってしまうから、国家試験に落ちてしまうのです。

でも、心配ご無用です。そんな不安を払拭し、国家試験合格するための6つの方法について、こっそり伝授します。実習真っ只中の学生を始め、まだ将来の自分をイメージできない1,2年生にも、是非読んで頂きたいと思います。

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【目次】

  1. 国家試験は通過点!通過点を意識するな!
  2. 就職して、どのような生活を送りたいのか働いている自分をイメージしよう!
  3. 携帯、パソコンアプリを活用しよう
  4. 作業療法実習室を活用しよう
  5. 170点を目標にしないこと
  6. 勉強はひとりでするな

1.国家試験は通過点!通過点を意識するな!

いきなりですが、皆さんはフルマラソンを経験したことがありますか?もしくは長距離のマラソン大会でも構いません。

スタートから全力疾走しますか?

しませんよね。

冒頭でもお伝えしましたが、国家試験はあくまで、「作業療法士として仕事をするための免許を取得するための試験」です。これの結果で、就職先が決まる訳でもなく、一生を左右する経験が出来る訳でもありません。つまり、国家試験のために学校生活を送ってしまうと、高校でいうところのセンター試験と何ひとつ変わりません。

センター試験というのは、国公立大の足切りに利用されるため、回りのレベルに合わせて自分も動かないと一気に振るいにかけられてしまいます。が、国家試験は違います。ある程度の点数をとれば、合格、不合格が判断され、また、2次試験もなく、低い点数で受かっても、高い点数で受かっても「作業療法士免許取得」が可能です。

つまり、通過点なのに気張りすぎてもただただ損なだけで、これから長くランニングしていくのに、いきなりスタートダッシュする必要はありません。

2.就職して、どのような生活を送りたいのか働いている自分をイメージしよう!

大切なことは、作業療法士免許をもって、どんな作業療法士になって、どんなところで何をしたいのか・・・について強烈にイメージすることが大切です。一般大学生と異なり、実際の臨床現場を直接見学する機会の多いこの仕事。多忙な学生生活である反面、将来の自分をよりリアルに考えることが出来るという大きなメリットも合わせ持っています。

スーパーバイザーから、学生としての立ち回りだけではなく、どのような心持ちで臨床に臨んでいるのか、作業療法士像はどんなものなのか教えてもらうことも可能です。

このように、将来的にどんなことをショートゴールに設定して、どんな生活を送っていくべきなのかを強烈にイメージすることが出来れば、国家試験など通過点でしかないということに気が付きます。現に、臨床現場で汗を流すことのほうが、国家試験勉強よりはるかに体力を必要とし、責任が付きまといます。

3.携帯、パソコンのアプリを活用しよう!

国家試験を勉強していると、数多くの共通問題、専門問題に頭を悩ませることでしょう。

よく、小学校、中学校の時、教師から「出来ることから解きなさい」と言われたことがありませんか?国家試験も同じです。時間は多大にありますが、国家試験は合格点というラインがあります。つまり、得点がとれる分野でがっつり得点を取った者勝ちなのです。そこで需要になってくるのが「得意分野」です。

作業療法学生の傾向として、苦手な分野は以下が多く含まれています(実習指導者としての見解)

  • 解剖・運動・生理学
  • 身体障害、発達障害領域

この2つが90%としても過言ではないでしょう。細部に至るまで覚える必要があるからでしょうが、ほとんど学生がここの部分が欠落しています。身体障害領域での作業療法となると、こういった基礎医学的な知識は必要不可欠です。

では、この解剖、運動、生理学を得意分野にすればいい!

なんて言われても出来る訳ありません。

しかし、得意ではなくとも、苦手分野ではなく、むしろ分かりやすい分野に成りえることは可能です。そこで活用して欲しいのが3D画像です。昨今では、骨、筋、脳画像などが、携帯のアプリケーションを用いて3Dで表示されるようになっており、昔に比べると格段に勉強がしやすくなっています・・・。筆者からすれば非常に悲しくも羨ましい話です。

4.作業療法実習室を活用しよう

専門学校、大学ともに、必ず「作業療法実習室」があると思います。実技の勉強を主にする部屋になりますが、基礎医学的な知識、特に運動学については、実際に体を動かして、触って、確認するのが一番覚えるのが早いです。通常の勉強というのは、視覚情報を元に、側頭葉の記憶の箱にしまうというプロセスですが、実際に体を使いながら、話しながら・・・という学習法は、視覚情報を側頭葉、前頭葉、頭頂葉、フルで活用しながら記憶として定着させるため、非常に学習法として効率がよくなります。是非、作業療法実習室を活用してみてください。

5.170点を目標にしないこと

先述しましたが、国家試験には合格ラインというものが存在します。250点満点中、おおよそ170点が合格ラインです。おおよそ7割が合格ラインです。点数だけ見るとやや高めのようにも思えますが、その仕事で今後やっていくことを考えるとまだまだ甘いようにも思えます。

こちらをご覧ください。

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こちらのグラフからもわかるように、作業療法士の合格率は、低くても7割(平成22年度は、21年度の問題改変に伴う難易度易化から、跳ね上がる形で22年は難化したためと思われます)で推移しています。養成校での足切りテストがある背景もありますが、普通に学内生活を送っていれば8割程度合格するものです。

一見、簡単なようにも思えますが、当然勉強していないと合格しません。そのため、合格ラインが170点だから、目指せ170点!なんて温いことをしていると、合格できません。その年によって問題レベルにムラがあり、易しい時は極端に易しく、難しい時(平成22年は過去一番難しいものでした)は極端に難しくなっています。そのため、目指すとしたら200点超を目標にしましょう。

6.勉強はひとりでするな

国家試験は孤独な闘いである。それも間違いではありません。仲良く勉強していたら友達だけ受かったなんて話もよく聞きます。だからといって一人で考え込んで、一人で孤独に勉強していると、精神的に参ってしまいます。

筆者は、図書館の自習スペースで、参考書とずっとにらめっこしていたのですが、後々、友達の家や、大学のラウンジなどで仲間同士、途中息抜きがてら会話したり、ご飯を食べたりしながらすれば、もっと楽しく勉強が出来たのでは?と思うことがあります。一人でしていると、問題に行き詰った時のストレスが強く、勉強しているうちに、国家試験のための勉強になってしまう傾向にあります。先述しましたが、国家試験はあくまで通過点。今後の自分のための勉強ですので、気長に、仲間同士楽しく続けることが合格の秘訣かと思われます。

作業療法士 国家試験合格メソッドのまとめ

勉強というものは基本的に辛いものです。楽しくやれ。というのはきれいごとで、実際には難しいものがあります。しかし、勉強している中で、全てが辛いことでしょうか?問題が解けたり、勉強の合間の食事で友達と談笑したり・・・時々さぼってゲームをしたり。

勉強の合間にも必ず休憩の時間があるはずです。その休憩の時間を有意義に使うことが、一番重要と考えています。

作業療法士は非常に世間が狭く、大学の友人が隣の病院で働いているなんてことはよくある話です。作業療法士として今後裾野を広げていきたいと思うのであれば、養成校時代の横、縦のつながりも十分構築することが大切です。これをするためには、やはり、一人で何事も抱えるのではなく、回りを巻き込んで、勉強をしていくスタイルが望ましいのではないでしょうか。2月、3月は学生にとって非常に辛い時期とは思いますが、その学生のストレス緩和に少しでも役立ててくれると幸いです。

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