病院・介護福祉施設での勤務経験がある理学療法士が実際に働いてみて感じたメリット・デメリットをご紹介します。

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仕事の内容、やりがい、就職先、給料、大変なこと、他医療職種との比較など、就職前に知っておくべきポイントをまとめました。理学療法士に興味がある人は是非ご参考ください。

理学療法士として働くメリット

理学療法士として働くメリットは多いです。仕事内容、やりがい、就職先、求人数など他職種にはない魅力が存在します。

仕事内容、やりがい

理学療法士として働いて感じる1番のメリットは仕事内容です。

理学療法は対象となる方の身体機能をより良い状態へと導きます。痛みなどで辛い表情をしている方でも理学療法を実施することにより表情が軽やかになり、「身体が楽になった」と声を掛けてもらえます。理学療法は人を辛い状態から助けることができ、喜んでもらえる仕事で、とてもやりがいを感じられます。

また理学療法は根本から人の身体が良くなるように、身体が不調になってしまった原因を追究し、その部位に対して運動療法や徒手的手技、物理療法を加えます。マッサージのように施術後は良くなるが時間が経てば状態が元に戻るということを目的とするのではなく、根本からアプローチして長期的に良い状態に保てるようにすることを目的とします。この点にプライドを持っている理学療法士は多く、仕事に対する充実感を得るうえで大事な魅力と言えます。

治療では理学療法実施前後で対象の方の状態が良くなると「効果が出た!」、「治療法が合っていた!」という高い満足感を得ることができます。治療効果を上げるには勉強は必要不可欠で、解剖学、生理医学、病理学といった医学的知識に加え対象の方へのタッチの仕方、皮膚・筋肉・腱・骨の触感といった手技を身につけていきます。どの分野も奥が深く探究心をもって勉強に取る組むことができ、治療スキルを高めていく楽しさがあります。

また理学療法士の勉強会ではたまに魔法のように人の身体を良くする先生と出会えることがあり、これも理学療法を学ぶ上での楽しみの1つとなります。

就職先、職場環境

理学療法士の主な就職先は病院や介護福祉施設です。そのため就職先企業のほとんどは安定しており、大幅な給料の削減や企業の倒産といった不安を抱えずに仕事に臨むことができます。

また理学療法は対象の方の生活リズムに合わせて実施するため勤務時間は朝8時30分頃~夕方18時頃で、夜勤はありません。仕事では運動療法をメインとするため自分自身も身体を動かすことができ、仕事をしながら自分の健康管理も行えます。

職場は若い人の割合が高く、人間関係は良好なところが多いです。職場内では飲み会やレジャーイベント(BBQ、登山、マラソン…)がよく開催され、アクティブな人たちが沢山います。人柄はサバサバとした体育会系が多いとよく言われます。

求人数

理学療法士の求人は多く、就職に困ることはほぼありません。転職成功率も高く、キャリアアップに成功されている方も多くいます。また求人が多いため出産・育児などで一度職を離れたとしても、再就職がしやすい職種です。

家庭との両立

理学療法士の仕事は家庭との両立がしやすいです。産休、育休の取得はもちろん、時短勤務をして子育てと仕事を両立している方が多くいます。私が働いていた職場では男性で育休を取得していた方もいました。

また理学療法士のパート・アルバイトの時給は大体1500~2000円程度で高いところが多いです。そのためパート・アルバイトでも十分稼ぐことができ、育児で忙しい期間はパート・アルバイトとして午前中だけ勤務、育児が落ち着いたら再就職をするという働き方を選ぶ人もいます。

自身の成長

理学療法は相手のペースに合わせて実施していきます。その日その日の調子を確認することはもちろん、1人1人の個性も把握してペースを調整します。そのため相手を思いやる気持ちや忍耐強さ、気長さを自然と身につけられます。

理学療法士のデメリット

メリットが多くある理学療法士ですが、いくつかデメリットもあります。仕事で大変なこと、人間関係、学費などデメリットも理解した上で理学療法士を選びましょう。

大変なこと

理学療法士として働いていれば必ず誰しもが自分の実施する理学療法が上手くいかない、ということに遭遇します。質の高い理学療法を提供するには勉強は必須で、理学療法士として臨床に立つならば常に学び続ける姿勢が求められます。理学療法は奥が深いので学ぶ楽しさはありますが、それを負担に感じる時もあります。

理学療法が上手くいかないと感じているときは焦り、追い込まれたように勉強をすることがあります。しかし理学療法士として働く限り否が応でも自然と勉強はし続けるものなので、あまり根詰めることなく徐々に身につけていく気持ちで取り組みましょう。

人間関係

介護福祉施設に勤める場合、担当の方と長い付き合いになることが多いです。まれに対象の方と相性が合わないこともあるため、この場合は仕事を大変に感じるでしょう。

学費

理学療法士の国立養成校の学費は250万円で一般的ですが、私立は350~700万円で高いです。私立では独自の学費支援制度を設けている学校があるので、入学前にチェックしておくと良いです。

給料

理学療法士の給料は平均年収400万円で、高くありません。訪問リハビリでは歩合制のところもありますが一般的には理学療法士の給料は緩やかな年次昇給で、「高い給料が欲しい!」という方であれば満足感を得にくいでしょう。

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社会人が理学療法士へ転職するメリット

仕事にやりがいがあること、就職先は安定していること、国家資格を取得できることから社会人が理学療法士へと転職するメリットは十分あります。

やりがいある仕事

理学療法士の仕事はやりがいがあります。人の身体を良くすることができ、他にはない満足感を仕事で得ることができます。また感謝の言葉も直接うけとることができ、常に仕事に対するモチベーションを高く維持することができます。

安定

理学療法士はリストラや企業倒産の心配をする必要はほとんどなく、安定して一定の給料を得ることができます。また育休・産休も安心して取得することができます。

国家資格

理学療法士の国家資格を取得することができ、求人も多いため就職に困ることはほとんどありません。免許更新も不要なので、一度取得すれば一生役に立つ資格です。

社会人が理学療法士へ転職するデメリット

学費は高いが、給料は平均的

理学療法養成校の学費は私立の場合350~700万円で高いですが、理学療法士の給料は平均年収400万円で平均的です。昇給も穏やかなので高い学費を払った割には給料が低い、前の職場の方が稼げたと後悔をする可能性があります。仕事内容の魅力だけではなく給料面でも満足できるかどうかについてしっかり考えておくことをおすすめします。

作業療法士にはないメリット

作業療法士は精神機能のリハビリを得意とし、理学療法士は身体機能のリハビリを得意とします。そのため理学療法士は作業療法士より骨や関節、筋肉などについての専門性が高く、動作(起きる、立つ、歩くなど)のリハビリをメインとしています。そのため理学療法士はスポーツ領域でも活躍しており、スポーツ外来リハビリやトレーナーという道も選ぶことができます。人の身体の動きに興味がある場合は、作業療法士より理学療法士の方がより仕事内容に面白味を感じられるでしょう。

看護師にはないメリット

理学療法士の仕事は対象の方の生活リズムに合わせて行うため日中勤務で、看護師のように夜勤がありません。また看護師は1人で複数人の様子を同時に見なければならないですが、理学療法は1対1で行うことが多く対象の方とゆっくり向き合うことができます。

他の医療・介護職種にはないメリット

理学療法士の仕事は他の医療・介護職種と異なり、自分のスキルを用いて対象の方の状態を顕著に快方へと向かわせることができます。勉強や手技を磨く大変さはありますが、その分やりがいも感じられます。また勉強で得た知識は自分や家族の健康管理にそのまま役立てることができるのも魅力です。仕事内容もデスクワークではなく、身体を適度に動かせるため健康的です。

まとめ:理学療法士を目指す方へ

理学療法士として働くメリットは多くあります。特に仕事内容はやりがいを感じられ、理学療法を通じて人の身体を良くすることができます。これは他職種にはない大きな魅力です。給料は平均的で高いものではありませんが仕事は楽しくプライベートも充実させることができるので、理学療法士になって良かったと私は感じています。

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